AWS フットプリント全体を詳細に可視化
Amazon Web Services(AWS)のエコシステムは、AWS クラウドにアプリケーションを展開する上で、柔軟性と拡張性に優れたプラットフォームです。Infrastructure-as-a-Service(IaaS)の登場によって、ワークロードをクラウドに移行するプロセスが簡潔になり、マイクロサービス アーキテクチャの普及に弾みがついた一方で、自社で制御できない Web サービス全体でのサービス提供を保証する仕組みも変化しました。
アプリケーションのパフォーマンスは、可用性ゾーン(AZ)全体の遅延や S3 バケットの可用性、API とのやり取りや DNS の解決など、AWS 環境における複数の要因によって左右されます。CloudFront や Global Accelerator などの AWS サービスも、AWS グローバルネットワークを使用したアプリケーション配信の最適化において重要な役割を果たします。結局のところ、基盤となるインフラやサービスの接続を自社では制御できない場合に、エンドユーザーのデジタル体験を維持するにはどうすればよいでしょうか。
モニタリングスタックにおけるクラウドサイズの欠点
SNMP やパケット分析、フローとログ(syslog など)のような従来のモニタリングソフトウェアにおける手法はオンプレミスのデータセンターでは効果を発揮しましたが、AWS のようなパブリッククラウド環境では限定的な可視性しか得られず、測定能力にも限界があり力不足です。AWS クラウドをモニタリングするための AWS CloudWatch では AWS メトリックと VPC のパフォーマンスは分析できますが、エンドユーザー体験の視点が欠けています。多層アプリケーションをホストする各リージョンの AWS ネットワークについても、複数の AWS アカウント間の相互接続まではカバーできません。また、外部の SaaS サービスとのインターネット接続に対して可視性を提供することもできません。このように企業境界の外側に可視性の死角ができるため、AWS リソースのより包括的な新しいモニタリングソリューションが必要となります。
社内のコンピューティングリソースと AWS のような外部のリソースで構成されるハイブリッドインフラのモニタリングは、複雑さを増しつつあります。ハイブリッドインフラのモニタリングを成功させるには、テスト作成のワークフローを簡素化し、AWS リソースの可用性と、そこに到達するためのインターネット経路のパフォーマンスをトラブルシューティングするために必要なネットワークの可視性を提供する必要があります。
クラウドエコシステムのアクティブモニタリング
ThousandEyes はアクティブモニタリングの手法で重要な評価指標を収集し、ユーザーから AWS データセンターまでの提供パスを可視化します。シスコの AWS アプリケーション モニタリングを利用すれば可用性や使用状況を確認するだけでなく、リージョン内、リージョン間、サービス間それぞれのネットワークパケットの損失や遅延と応答時間との相関関係を確認し、クラウドやハイブリッドクラウド環境におけるパフォーマンス面の問題を特定することもできます。他社の AWS モニタリングツールとは違い、ThousandEyes なら S3、EC2、Route53、API Gateway、CloudFront、Global Accelerator などの AWS のネットワークサービス全体から隠れた依存関係を見つけ出し、運用上のリスクを最小限に抑えることが可能です。さらに、AWS Network Path Enrichment は、使用されている AWS サービスと通過している AWS リージョンに関する強力なインサイトを提供し、地理的なルーティングとアプリケーションが提供されるロケーションを把握するのに役立ちます。これにより、性能低下の範囲をより適切に特定し、ビジネスが依存しているクラウドインフラのトラブルシューティングを行うことができます。
クラウドネイティブのトラフィックと設定変更に関する、かつてない可視性
ThousandEyes Cloud Insights は、エンドツーエンドのエクスペリエンスに関する問題について、かつてない統合レベルで可視化できます。クラウドリソースに影響を与える、クラウドプロバイダーのトラフィックボリュームや設定変更について、エクスペリエンスの問題との関連性を直接特定できることが特徴です。このインサイトにより、拡張クラウドネットワークがユーザー体験に影響を及ぼしているかどうかを容易に判断できるほか、問題の根本原因を迅速に特定して、パフォーマンスの優れたエクスペリエンスを提供できるようになります。
クラウドアーキテクチャに関する決定を、パフォーマンスに基づいて下す
Cloud Insights は、サポートするクラウドプロバイダーからネットワークフローデータを収集し、クラウドサービス内のトラフィックフローに関する詳細情報を提供します。これには、リージョン、VPC、アベイラビリティ・ゾーン、外部アプリケーションソース間のトラフィックといった情報も含まれます。異なるゾーンやプロバイダー間のトラフィック経路が最適でない場合、運用チームが把握して、最適化を実施することで、不要なゾーン間通信やマルチクラウド通信を排除することができます。
境界の内側だけにとどまらない可視性
270 を超える都市に展開された Cloud Agents(AWS の 26 のリージョン内にあるエージェントも含む)から成るグローバルネットワークを活用すれば、エンドユーザーの視点からアプリケーションのパフォーマンスを把握でき、時間の節約にもなります。 ThousandEyes Cloud Agent は、複数の AWS ローカルゾーンにも配置されており、アプリケーションやユーザーにできるだけ近い場所で、正確なシミュレーションとパフォーマンス測定を行います。 ThousandEyes の Cloud Agent は、AWS Wavelength がサポートする各種キャリア内に導入されており、5G ネットワークでアプリケーションやサービスにアクセスする際のパフォーマンスをシミュレートできます。さらに、VPC 内に配置された Enterprise Agent を活用して、地域サービスの依存関係を監視し、ハイブリッドアーキテクチャの問題を解決し、双方向のネットワークパスを可視化できます。クラウドには見えにくい部分があるかもしれませんが、それが元でクラウドへの移行戦略を誤ったり、AWS 環境を効率的にモニタリングできる方法の実現を踏みとどまったりすべきではありません。
AWS ワークフローの自動化と簡素化
簡素化されたワークフローを通じて、クラウド環境やハイブリッド環境を含むサービスデリバリチェーン全体を可視化できます。API Gateway、CloudFront、および Global Accelerator 用 AWS Test Recommendations は、テスト可能な AWS サービスインスタンスのフルセットを自動的に検出し、数回クリックするだけで、ニーズに最も関連するサービスを簡単に選択、設定、テストできる直感的なテンプレートを生成します。
ThousandEyes の AWS Test Recommendations を使用すると、ThousandEyes でテストターゲットを検出する際の貴重な時間と労力を節約できます。直感的なテンプレートにより、数回クリックするだけで簡単にテストを選択して設定できます。エージェントの推奨事項は、ネットワークトポロジ、トラフィックパターン、リソース分散などの要因に基づいて、可視性と効率を最大限に高めるために ThousandEyes エージェントを配置する場所に関するガイダンスを提供します。
AWS 環境とのグローバル接続の実態を知る
AWS リージョンの Cloud Agents からパフォーマンスの分析に役立つ情報を取得できます。
クラウドとインターネットを視野に収める
AWS のインフラや AWS とつながるインターネット接続を保有していないお客様でも、ユーザー体験やサービス提供に対する責任はあります。
- エンドツーエンドでの遅延のモニタリングとアプリケーションの提供パスをリアルタイムで可視化
- アプリケーションの提供における根本原因を数分以内に切り分け
- データ共有によりパートナーとベンダー間で透明性を確保して問題を迅速に解決し、責任の押し付け合いを排除
ThousandEyes が選ばれる理由
クラウドの導入を加速
あらゆる AWS リージョンの Cloud Agents から収集された情報によってクラウドネットワークやアプリケーションのパフォーマンスがただちに可視化。クラウドサービスに的確なホスティングを選択できるようになります。
優れたデジタル体験を提供
お客様のクラウド インフラストラクチャから隠れた依存関係を発見し、ユーザー体験や API ゲートウェイなどの外部サービスに関するインテリジェンスを視覚化して把握できます。
IT 運用を合理化
AWS のダッシュボードや指標、可視化された情報を社内外の関係者と共有することで連携を促進し、問題がないことの証明や早急な問題解決に活用します。
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