急速に変化するネットワーキングの世界では、タイムリーで正確なモニタリングがきわめて重要です。ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)イベントは、インターネット上でデータをルーティングするために不可欠であり、ネットワークのパフォーマンスと信頼性に大きな影響を与える可能性があります。より正確で応答性の高いモニタリングの必要性を認識し、新しい BGP モニタリングおよびアラートパイプラインを導入しました。これは、1 分単位の粒度とほぼリアルタイムのアラートを提供するように設計された ThousandEyes の機能です。
タイムリーな BGP モニタリングの重要性
ルートハイジャック、フラップ、プレフィックスの取り消しなどの BGP イベントは、ネットワークの安定性を妨げ、パフォーマンスの低下や障害を招く可能性があります。調査によると、多くの BGP イベントは短時間で終了することが示されています。1 短時間であるということは、こうしたイベントを迅速に検知し、対応できるモニタリングシステムが求められているということです。
さらに、オペレータは、トラフィック エンジニアリングに影響を与える変更を行った場合に、インターネットでその変更がどのように反映されているのかについて即座にフィードバックを得る必要があります。新しい BGP モニタリングおよびアラートパイプラインは、1 分単位の粒度を提供することで、このニーズに対応します。これにより、ネットワーク管理者は BGP イベントを検知して対応し、トラフィック エンジニアリングの影響を発生とほぼ同時に監視することができます。ネットワークダイナミクスを維持し、ダウンタイムを最小限に抑えるためには、このレベルの詳細情報が不可欠です。
ほぼリアルタイムのレポート
新しいパイプラインは、高い粒度に加えて、ほぼリアルタイムのレポートを提供します。この機能により、ネットワーク管理者はアラートとアップデートをほぼ瞬時に受け取ることができ、中断を招く可能性のある問題を軽減するための迅速な対応が可能になります。1 分単位の粒度とほぼリアルタイムのレポートを組み合わせることで、常に最新情報を把握できます。
シンプルで効率的なアラート設定
図 1 に示すように、アラートの設定は簡単で、ThousandEyes が受信する BGP テストデータによって定義されたさまざまな条件を検索するように設定できます。
次の図 2 では、ネットワーク 2001:7fb:fe01::/48(IPv6 RIPE ビーコンプレフィックス)への到達可能性が 2 時間ごとに通知され、取り消されているのがわかります。1 分間隔(9:10 から 9:11 UTC)であることに注意してください。
図 3 に示すように、プレフィックスの取り消しなど、ネットワークに変更が発生すると、管理者にアラートが送信されるため、さらなる中断を防ぐために迅速に対応できます。
さまざまなイベントタイプに合わせてカスタマイズできるアラート機能
すべての BGP イベントが同じというわけではありません。イベントによっては、到達可能性の問題など、すぐに対処する必要はなく、長期間にわたって監視できるものもあります。新しいパイプラインでは、アラートをカスタマイズできるため、重要度の低いイベントに対するアラートを調整することができます。この柔軟性により、アラートに圧倒されることなく、最も重要な問題に集中できます。
たとえば、n 分間にわたって観測された到達可能性イベントを監視するようにプラットフォームを設定し、重大な問題に関してのみアラートをトリガーすることができます。このカスタマイズにより、アラートによる疲労を軽減し、より効率的なネットワーク管理が可能になります。
ThousandEyes による詳細かつタイムリーで実用的な BGP インテリジェンス
新しい BGP モニタリングおよびアラートパイプラインは、ネットワーク管理者にとって画期的な機能です。1 分単位の粒度で、BGP イベントを検出して対応し、比類のない精度でトラフィック エンジニアリングの結果を表示できます。
ほぼリアルタイムのレポートが新たに追加されたことにより、管理者はタイムリーなアップデートとアラートで、BGP とネットワークの変更を常に把握できます。
最後に、カスタマイズ可能なアラートにより、さまざまな BGP イベントタイプの重要度に合わせてアラートを調整し、不要な通知を減らすことができます。
これらの ThousandEyes の新機能を組み合わせることで、BGP イベントをいち早く把握し、BGP ポスチャを継続的に監視して、ネットワークが安定した状態で最高のパフォーマンスを維持できるようになります。