ユーザーが期待しているのは、まさに完璧なデジタル体験です。このような高い期待に応えるために、企業はこの 10 年でクラウドプラットフォーム、Software-as-a-Service(SaaS)、その他のインターネット対応テクノロジーを採用しています。しかしこのテクノロジーの移行によって、IT 管理の範囲は従来の境界を越えて拡大されました。ユーザー、アプリケーション、ネットワークの分散化が進み、自社所有と非所有が混在したインフラストラクチャにまで広がったからです。
現在の IT 組織は、あらゆる環境でシームレスなデジタル体験を提供するという複雑なタスクに直面しています。しかし、クラウド、SaaS、そしてインターネットが大きな盲点となっています。こうしたテクノロジーはビジネスに不可欠なものですが、今もなおダウンタイムやサービスレベルの低下に影響を受けます。障害が発生すると、かなりの間運用が中断し、ビジネス成果に重大な影響が及ぶ可能性があります。
危険にさらされるユーザー体験
一度の障害の影響を考えてみましょう。一度の障害だけで、組織の IT 運用が完全に停止し、組織の評判に傷が付き、顧客が競合他社に乗り換え、業績が低下する可能性があります。
そして障害がもたらすのは厄介ごとだけではありません。個人に危機的なレベルの状況をもたらすことがあります。たとえば、アプリケーションの不具合によって、空港に向かう車の中や寒い屋外で運転手が立ち往生した例や、主要金融機関の問題が原因で、住宅購入者が購入を延期した例があります。さらには、IT 障害によって Windows マシンが数時間オフラインになった結果、被害を受けた企業に 10 億ドルを超える損害が生じたという注目を浴びた事例もあります。
消費者はインシデントは時々起こるものだと理解していますが、個人的な影響は長く覚えているものです。企業にとってのリスクは高く、従来の IT モニタリングアプローチではもはや十分ではありません。事業継続性を保証するには、何よりも復元力の高い IT 環境が必要です。
Digital Resilience:長期的な成功に不可欠
多くの場合、システムの停止やパフォーマンスの低下を最小限に抑える上で重要なのは、中断の発生時に企業が持ちこたえて迅速に回復できる力です。一般に、問題の影響の緩和や解決は速いに越したことはありません。企業には、ネットワークパフォーマンス関連かセキュリティ関連かを問わず、デジタル体験を中断させ、サービス可用性やブランドの評判といったビジネス成果に悪影響を与えうるイベントを防止したり、検出して対応したりする力が必要です。
言い換えれば、企業は Digital Resilience をさらに強化する必要があります。Digital Resilience は事業継続性に必要なだけでなく、多くの組織にとって規制上の要件でもあります。まもなく施行される金融サービス向けの EU Digital Operational Resilience Act(DORA)は最近の規制の一例です。このホワイトペーパーでは、ThousandEyes が企業の DORA への対応、特にサードパーティ ICT サービスプロバイダーの管理にどのように役立つかを解説しています。
アシュアランス:Digital Resilience の土台
今日の IT 環境は複雑で、所有要素と非所有要素が混在していて、IT チームに大きな課題をもたらしています。その課題とは、完全に制御できないネットワークとアプリケーションを使用しながらも復元力の高い企業を構築することです。優位にある企業は、エンドツーエンドの環境と依存関係を理解しているため、中断に持ちこたえて迅速に回復できます。さらにこうした企業は、常に最高のユーザー体験を提供するために、プロアクティブに IT 環境の最適化を実施しています。
エンドツーエンドのアシュアランスは、包括的でインテリジェントな自動化フレームワークを提供して最新のデジタル環境の複雑さに対処します。まずは所有ドメインと非所有ドメイン全体を可視化し、AI を活用してインテリジェンスを相関させ、重要なインサイトのみを抽出して実用的な推奨事項に変換します。これにより、IT サービス管理(ITSM)、ネットワーク、セキュリティ、コラボレーション、およびオブザーバビリティ プラットフォームを統合するクローズドループの自動化ワークフローを促進します。
ThousandEyes を使用して Digital Resilience を実現
ThousandEyes は、企業の Digital Resilience 実現に向けた取り組みに役立つ重要なアシュアランス機能を提供します。強力なエンドツーエンドの可視性、AI を活用したインサイト、クローズドループの運用を提供する ThousandEyes により、IT チームは問題をプロアクティブに検出して診断、修復できるようになり、シームレスなデジタル体験を確保できます。
そして、このプロアクティブな対応こそが鍵です。Insight Global 社を例に挙げて説明します。同社は ThousandEyes WAN Insights を使用して Webex by Cisco のような重要なアプリケーションの最適な回路経路を予測しています。このアプローチによって、コラボレーション アプリケーションに関連するサービスデスクチケットが削減され、IT チームは他の重要なサービスを強化できるようになりました。
「WAN Insights を活用してネットワーク内で発生している問題を迂回することで、最も効率的な思い通りのネットワークを運用しているという確信を持てるようになりました。エンドユーザーの生産性にも目に見える違いが表れています。エンドユーザーは、ネットワーク関連かどうかわからない問題をトラブルシューティングする代わりに、作業やクライアントとのミーティングにより多くの時間を費やしています。」
Insight Global 社 ネットワークアーキテクト、Michael Kutka 氏
Digital Resilience が最優先されるこの時代の IT リーダーは、中断のない完璧な体験を保証するために必要なツールとインサイトをすぐに使えるようにしておく必要があります。アシュアランスを使用すると、IT チームは最適化を実施して、会社が依存するサービス、システム、収益の拡大を促進するすべてのデジタル体験のレジリエンスを保証できます。
ThousandEyes はアシュアランスの提供で市場をリードしており、この複雑なデジタル環境で舵を取る皆様の信頼できるガイドとしての役割を果たすことができます。